北斗の魚屋

最近、世紀が変わったせいか北斗神拳は既に一子相伝ではなくなったようである。

大分市の活魚流通コンサルタント会社「おさかな企画」は、約20キロのクロマグロを針でまひさせ「眠らせる」ことに成功した。食卓に上るのは解凍されたマグロが多いが、この技術で新鮮な刺し身も気軽に味わえそうだ。良好な状態で運べるかどうかを実験するため、23日に三重県養殖場から東京に向け輸送車が出発する。

漁獲後のマグロは暴れて体温が急上昇し、熱で身が酸化するため、氷などで急速冷凍されるのが通常。しかし船上で太さ5ミリ、長さ18センチのステンレス製針を頭部に刺してまひさせ、水槽で海水を口から送り込みえら呼吸をさせると、約3時間で体温が海水温程度まで下がり、最長で約50時間生きたという。

ZAKZAK - 針一本で“秘孔”を突いて「眠らせる」技を企業が開発

なかなかに画期的な技術に見えない事もないが、実はこの手法、昔からある。
熟練した暗殺拳伝承者料理人や理科教師などはこの手法を用いて獲物を一撃で昏倒させ、しかる後に仕事を完遂するのだ。
例えば、包丁で魚の頭部を軽く小突くだけで目の前の川や釣堀から上げたばかりの鯉を瞬時に沈黙させて即座に捌く料理人や、小学校などで魚の解剖を生徒に披露する前にメダカやらフナを針やデコピンで黙らせたりする教師*1である。

つまりMoEでよく言われる
レランには暗殺部隊がある
とか
シレーナ様は一子相伝暗殺拳の伝承者
というのは嘘でも何でもなくて闇に伝わる真実だったんだよ!!!!!

三重県南伊勢町クロマグロの養殖を手掛ける清洋水産から5月下旬に「魚に高い付加価値をつけたい」と申し入れがあり、挑戦を開始。当初は数十匹で失敗したが今は「成功率100パーセント」という。将来は約50キロのマグロにも挑戦する。*2

7月には東京ビッグサイトで開かれる「シーフードショー」で眠った状態のマグロを展示、刺し身も振る舞う。卜部代表は「これまでは死後硬直が避けられなかったが、針処理はこれがない。生きた状態で輸送、血抜きをしたマグロは未知の味だ」と話している。

「未知の味」であって「うまい」とは言ってない*3あたりが狡猾な感じもするが、とにかくこれが一子相伝クラスの熟練度ではなくてもある程度訓練した者なら誰でも使えるようになったのであれば非常に喜ばしい事である。
この技術を用いて漁師や料理人に就職すればジャギアミバも即座に立派な職人であり更生であり惨殺されずに済むであろう。

今ふと気がついたのだが針でマグロを一撃必殺ってどっかのグルメ漫画で描かれてたような気がするのう。
まさか…おさかな企画
漫画からヒントを得て技術開発した
などということはあるまいな?
まあ結局見事に成功しているならアイデアの出所などどうでも良いか。

追加情報
その後、どうやらこのおさかな企画への取材を元に漫画が描かれたらしいとの情報を得た。
まぁその方が自然とはいえ…現実の方がよほど荒唐無稽な気がしなくもない。

*1:直後に殺害する目的であるために普通は上記の記事ほど長い時間生かす事は出来ないが、熟練者がやると翌々日になってもまだ心臓が動いているなどという芸当も本当にできる。

*2:最初の頃のデモンストレーションでは針刺してもまだ動いてて「ん!?間違ったかな」などというアミバ状態だったのだろうか。

*3:良くあるグルメレポータの発言:「何とも言えない味ですね」=うまいとはとても言えないが不味いとは立場上絶対言えない。