兄の重責

先日、以下のような記事を記載した。

しばし平和な殺戮を楽しんでいるとPTメンバーからウィスパーC発見の報が届く。
ここ1ヶ月ほどの間にGDに来たのは8回ほどだが、年末の裏切り・Sタイツに続き3つ目の大物ドロップである。

(中略)

アサシンがウィスパーCを持ったまま回線落ちして帰ってこないのである。
Cを確認したメンバーが全員に知らせるためにCをわざと地面に落としたときにCを拾った直後から急に回線落ちを数回繰り返してはいたのだが、いい加減潮時か?というタイミングになってから帰ってこなくなったのだ。

(さらに略)

持ち逃げ疑惑が浮上する中、淡々と清算を続行したが、やはりこの問題を回避するわけにもいかず、今回はPT全員をフレンドリスト登録して今後の監視結果を報告しあい、誰かが当人を捕まえた時点で現物を提出させて売却ないしは現時刻での相場価格を当人に支払わせて公平分配するという案で合意に達した。

この種の問題としては珍しい事だが、上記の出来事に進展があった。

本日(既に昨日ではあるが)は知り合いの計算機新規購入に伴うセットアップ作業を手伝いにいっていたせいもあり、やや遅くログインした弊社は80㌧級MEプリ*1を起動して臨時にいく事にした。
すると都合の良い事に【募】79±前衛1支援1ニブル逝きという看板がin sight&神速の脊髄反射にて募集チャットへFOX4

中に入ってみるとメンバーは鳥が一人。つまり前衛待ち状態。
まー暫く誰も来ないやろーとか思いつつ茶など淹れ始めた所へこ〜ん♪と入室を示す効果音(残響音含む)。
臨公経験4年の習慣で即座に入室者の名前とキャラクタを確認すると何やら見たような名前&面構え。

む?よく見ればこの前の持ち逃げ野郎じゃねぇかおまいさん。
これはMMOの神が与えし千載一遇のチャンス!何としても奴から目一杯搾取利益を奪還せねば!

しかし初手から相手に警戒感を与えるような言動をするのは商人として失格である。
しかも今は臨公開始前。不和を呼ぶ言動は厳に慎まねばならぬ。
とはいえ相手を確認しない事には何も始まらないので「あれ?γさんおひさしぶり?たしかこないだ不審戦艦ぽちょんきむ(別キャラ) でGDいきましたよね?」などと取り敢えずカマをかけてみる事とす。

すると相手は「あー覚えないけど。もしかしたら弟知ってるのかな?」ときた。
兄弟。持ち逃げでしらばっくれる場合には常套句である。政治家の言う「全て秘書が私的に行った事であり、私自身は全く関知する所ではなかった」という発言と全く同類とみなされてもおかしくはない。
だが、これ以上突っ込むにはタイミングが悪い。ひとまずここはテキトーに流して普通に狩りへ。

ME専門プリで支援の代用として入ったにも関わらず場所がニブルだけに主たる殲滅火力としてMEを期待され、その上で支援も行うというなんとも忙しい戦闘状況ではあったが、常時バトルモード操作採用によるイージス武器管制システム並の同時多目標処理を駆使して難局を切り抜けつつアサシンの言動を観察。
一人称の使い方の癖やタゲの取り方、前方を歩く際の癖などは先日のそれと確かに似てはいるが、明らかに別人と判定。
こうなると先ほどの弟?発言にもある一定の信頼を置いて良いのでないかと思われる。

程なくして帰還という事となり、清算タイム。ここでいつものように商人を出して清算を行う前に例の出来事について問いただしてみる。
ただし、あくまでも「弟」がやった事として。*2

敢えてこのタイミングであるのは第三者が場に介在する事で多少のプレッシャーがあるのが理由である。
加えて、やる事はやった後なので気まずければ第三者はとっとと逃げてしまっても良いという状況でもある。
もし、本当に弟がやったのであればそれ相応の処置をして兄の名誉(だけ)を擁護すればよい。

すると、弟が持ち逃げしたのだろう、という返事が返ってきた。
曰く「多分本人はしらばっくれるだろうから自分でなんとかする」との事。
全く以って見上げた精神である。社会の伝統的な価値観で見れば身内の恥はなんとか身内が処理すべきと思われる事もあるかもしれぬが、
家族間でも責任感や連帯が希薄である昨今に於いては誠に感心すべき態度であろう。
ましてや平均年齢が若いというよりは幼いMMOプレイヤー層にあってはなおさらである。

手持ちの現金が少ないので装備品等を処分して金銭は工面するという事になり、弟には彼自身から何らかの処置を行うと提案された。
幸運剣やらTCJなどの装備を揃えているのは確認済みなので資産処分での支払いに疑いはないが、ローカルでの制裁がちと心配ではあるが。
その後運良く買い取り屋がまだ営業しており、何とかC代金として2.6Mを受け取る事ができた。

我々としては逸失利益分を確保できれば十分であり、遅延損害金や利息は請求しない方針であるのでこれで十分。
彼曰く「厳重に制裁を課す」「ROには二度と触らせない」との事であったが、それは過剰措置であり、厳重注意に止めて以後のMMOでの対人関係を良好なものとすることで何がしかの経験に代えるようにと伝達する事を要請した後、事態の収拾を宣言した。

彼の対処は実に迅速なものであったので弊社としては有り難かったのではあるがちと今後が心配であるのも事実ではある。
弟とやらも若気の至りで今回のことに及んだのかもしれぬし、あの時隣にいた知り合いと自称するプリが何かを教唆した可能性もある。
何にせよ妥当な方法で彼がいずれ復帰することを期待する。
目の前でまた何かやらかしたならば弊社の比類なきパニッシャー精神が炸裂するであろうがwwwwっうぇ

*1:排水量=レベル。排水量80㌧=ベースレベル80 である。

*2:一応回線不調で復帰不能だった可能性もあるのでそのせいで疑惑を持たれたという事にする。